もう一つの甲子園!軟式高校野球の舞台・明石トーカロ球場

全国の球児が目指す、もう一つの甲子園

8月になると、阪神甲子園球場で高校野球の全国大会が行われます。NHKが全試合を地上波テレビで全国生中継し、日本中の注目を集めます。

ところで、同じ兵庫県にはもう一つ、全国の高校球児が目指す球場があるのをご存知でしょうか。それが神戸市の西、明石市にある明石トーカロ球場(兵庫県立明石公園第一野球場)です。

ただし、甲子園で開催される硬式野球と違い、ここで行われるのは全国高等学校軟式野球選手権大会、即ち軟式野球なのです。甲子園と違ってほとんど知られていない大会でしたが、2014年に行われた中京×崇徳の試合が、サスペンデッド・ゲーム(一時停止試合)により4日間にわたる延長50回にも及び、俄然注目されました。

なお、現在では規定が変わり、サスペンデッド・ゲームは行われません。

軟式高校野球の全国大会が行われる明石トーカロ球場

規模は小さい軟式高校野球

延長50回で注目されたと言っても、その規模は甲子園には遠く及ぶものではありません。夏の甲子園が49校の代表校なのに対し、軟式高校野球ではその約1/3の僅か16校。

地上波テレビ中継もなく、決勝戦を有料CSテレビが録画放送する程度。延長50回のような奇跡でもない限り、新聞の扱いも非常に小さく、ほとんどの人が気付かないでしょう。

さらに球場は、入場無料にもかかわらずスタンドはガラガラ。実に牧歌的な雰囲気です。同じ高校野球なのに、硬式と軟式ではこれほどまでに違うのか、と思ってしまいます。

それでも、母校の応援に全国からはるばる明石球場にやって来ます。応援団の規模も甲子園のアルプス・スタンドとは比べ物になりませんが、その情熱は甲子園に決して劣りません。

秋田県の能代から吹奏楽部やクラスメイトが明石までやって来て応援

甲子園と変わらないハッスル・プレー

もちろん、軟式野球を行う選手たちのひたむきさは、甲子園球児と全く変わりません。みんなが日本一を目指し、一投一打に賭ける思いも全く同じです。ダイビング・キャッチやヘッド・スライディングも随所に見られます。

勝てば味方同士で抱き合って喜び、負ければ泣いて悔しがります。試合が終われば、両校が歩み寄って健闘を称え合います。硬式も軟式も、高校野球には変わらないのです。

試合に勝ち、甲子園と同じように校歌を歌う選手たち

夏の終わりの高校野球

夏真っ盛りに行われる甲子園と違い、軟式高校野球の全国大会は夏の甲子園が終わった後の8月下旬に開幕します。まもなく9月という時期、残暑はまだまだ厳しいのですが、空は確実に秋へと変わっています。

暑いのに秋風が吹き、夏の甲子園とは違った情緒があります。

天は既に秋空、暑くても吹く風は秋を感じさせる

近くには明石城跡も

明石球場は兵庫県立明石公園の中にあります。明石公園は明石城跡のために整備された公園です。

明石城は別名・喜春城あるいは錦江城とも呼ばれ、天守閣はありませんが、試合後は明石城跡をブラブラ散歩してみてはいかがでしょうか。

明石城跡

軟式高校野球の日程他

今年(2016年)の軟式高校野球の全国大会は、8月24日~29日まで行われます(27日は休養日)。ただし雨天順延により、日程は変わる場合がありますのでご注意ください。なお、前述したとおり、入場料は無料です。

明石トーカロ球場の最寄り駅は、JR神戸線(山陽本線)の明石駅もしくは山陽電鉄の山陽明石駅で、駅から北西へ徒歩約8分の所にあります。神戸の三ノ宮駅からは、JRの新快速に乗れば約15分で着きます。新幹線利用の場合は、西明石駅からJRで1駅です。

JRと山陽電鉄が一体になった(山陽)明石駅

なお、メイン球場は明石トーカロ球場ですが、準々決勝までは明石市のさらに西、姫路市にあるウインク球場(姫路市立姫路球場)でも行われます。昨年まではサブ球場として高砂市野球場が使用されていましたが、今年からは行われないのでご注意ください。

ウインク球場の最寄り駅は山陽電鉄の手柄駅で、そこから徒歩約20分ですが、姫路駅から神姫バスに乗った方が便利かも知れません。もちろん、新幹線利用の場合は姫路駅からの神姫バスがいいでしょう。

それでは、甲子園とは比べ物にならないほど牧歌的ながら、熱気は全く変わらない軟式高校野球を観戦してみませんか。

安威川敏樹

安威川敏樹スポーツを中心とするライター

投稿者の過去記事

大阪府在住。作業関連機器の設計から、スポーツを中心としたライター・コラムニストに転身。野球雑誌等に寄稿の他、電子本に野球小説を執筆。野球の独立リーグでの公式記録員の経験あり。野球以外では、ラグビー雑誌にも寄稿。モットーは「文字をオモチャにして遊ぶ」。

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