ローカル線に揺られながら貨物専用の鉄道博物館を訪れる

三重県を走るローカル鉄道「三岐鉄道(さんぎてつどう)」。名前の由来は三重県の「三」と岐阜県の「岐」を一文字ずつ取っただけですが、もともとは三重県の四日市と岐阜県の関ケ原町を結ぶ予定だったとのこと。現在はメイン路線である三岐線のほかに、2003年に近鉄から譲り受けた北勢線の2路線があり、通勤や通学の足として、またセメント輸送などの貨物運搬の路線として現在も地元に親しまれている路線です。今回はこの三岐鉄道の三岐線に乗って、貨物専門の鉄道博物館を訪れてみましょう。

黄色くて小さい電車が特徴の「三岐鉄道」

三岐鉄道の電車は黄色がイメージカラー。三岐線と北勢線では車両こそ異なりますが、まぶしい黄色の車体は目立ちます。三岐線を走る車両はすべて西武鉄道から譲渡されたものを再利用して使っています。地域のショッピングセンターのラッピング車両などもありますが、基本は黄色の車両で統一されています。

北勢線は現在では数少ないナローゲージの路線。走っている電車は近鉄時代から使っているとてもコンパクトな電車です。走行中の揺れは激しく、座っていても座席がかなりバウンドします。これではウトウトしていられないかもしれません。でもせっかくローカル線を乗りに来たのなら、寝てしまってはもったいないので、ちょうどよい揺れ具合なのでしょう。

今では珍しい硬券切符 これは記念になります

四日市市にある近鉄富田駅から出発した三岐線は、終点の西藤原駅までの26.5kmを50分ほどかけて走ります。四日市市の中心から北西方向に走り、いなべ市藤原町まで至る路線で、終点の西藤原駅は三重県最北端の駅となっています。三重県の最大都市である四日市に向かう路線ですので、朝晩は通勤、通学の人々が多く利用します。また、終点から2つ手前の東藤原駅は、太平洋セメント藤原工場への専用引き込み線もあり、現在も旅客列車の合間に貨物輸送も頻繁に行われています。

三岐鉄道は1日乗り放題パスが1100円で販売されていますが、懐かしい硬券切符も味があります。有人駅でなら実際に切符に鋏を入れてもらえる体験もできますよ。

終点の「西藤原駅」には、機関車が静態保存されています

黄色の電車に揺られること約50分。終点の「西藤原駅」に到着です。こちらの駅は三岐鉄道開通70周年の際に、駅前の広場が整備され蒸気機関車、ディーゼル機関車、電気機関車が3両展示されています。駅舎は蒸気機関車が客車を引いているような外観でかわいらしいですので、ぜひ駅舎も見学してみてください。この「西藤原駅」は藤原岳への登山口まで徒歩10分で行けるため、登山者の利用も少なくありません。

駅のホームは島式のものがひとつ。さらにそのホームには機関車が止まっているため、実質1つのホームだけを使用している状態です。駅の看板がまさに終点の駅を表しており、とても趣深いものとなっています。

丹生川駅まで戻り「貨物鉄道博物館」を見学

「西藤原駅」での風景を楽しんだら、近鉄富田方面へ4駅ほど戻りましょう。到着したのは「丹生川駅」という駅。この駅から100メートルほど西に行ったところに「貨物鉄道博物館」という施設があります。こちらの博物館は毎月第一日曜日のみの開館ですが、館内はNゲージやHOゲージの鉄道模型に巨大ジオラマ、鉄道のおもちゃで遊べるスペースなど、大人も子どもも楽しめる博物館となっています。

博物館の目の前を通る貨物列車は必見!

博物館の前は三岐鉄道の線路が走っており、間近に通る貨物列車をゆっくりと見学できます。線路のつなぎ目を一定のリズムで音を鳴らしながら走る貨物列車はなかなかの見ごたえがあります。日ごろあまりじっくりと見ることが少ない貨物列車。よく見るといろいろな発見がありますよ。実際に運行している貨物列車はもちろん、敷地内には機関車やタンク車、木造有蓋車、旧日本陸軍が使っていた貨車などレアなものが多数展示してあります。線路のポイント切り替えなども実際に体験できるなど、見て触って体験できる楽しい博物館です。

毎月第一日曜のみの開館という限定公開の博物館ですが、三岐鉄道に揺られながらお子さまと一緒に訪れてみてはいかがでしょう。今まで鉄道に興味がなかったお子さまが電車に目覚めてしまうかもしれません。懐かしい気分に浸れるローカル鉄道を使った小旅行ですので、ゆったりとした休日を過ごせますよ。

また三岐鉄道は桑名市や四日市市を中心にバスも運行されています。三重県内は県内全域を三重交通の路線バスが網羅されていますが、三岐鉄道のバス路線も狭いエリアながら頑張っています。

常盤兼成

常盤兼成乗り物と旅を愛する行動派塾講師

投稿者の過去記事

小中学生に、勉強だけでなく旅の魅力も伝えている学習塾講師です。
乗り物も大好きなので、塾生の保護者様からの旅行の相談もよくあります。
知らない土地に行き、知らない人と会話をし、現地の食べ物をいただくという体験こそ旅の醍醐味です。みなさんにもたくさん旅の魅力を感じてほしいと思います。

PAGE TOP