野球の聖地で行われるアメリカン・フットボール大学日本一決定戦!甲子園ボウル

日本で最も歴史あるボウル・ゲーム

冬です。

冬になると野球はオフ・シーズンとなり、野球ファンにとって最もつまらない季節です。野球場も、春から秋にかけて大観衆を集めていたのがウソだったかのように、ひっそりと静まり返っているでしょう。

ところが、たった一つだけ冬でも大観衆を集める球場があります。それが日本野球のメッカ・阪神甲子園球場です。

と言っても、冬に甲子園で行われるのは野球ではありません。行われるのはアメリカン・フットボールです。毎年12月に、全日本大学アメリカン・フットボール選手権大会の決勝戦、即ち甲子園ボウル(正式名称は三菱電機杯毎日甲子園ボウル)が行われるのです。

アメフトでは重要な試合をボウル・ゲームと呼びますが、競技場をお椀(ボウル)に見立てるわけですね。アメリカではプロのNFL「スーパーボウル」や、大学の「ローズボウル」「オレンジボウル」などが有名です。

甲子園ボウルもそれに倣って、1947年に第1回大会が行われました。日本では最も古いボウル・ゲームです。高校球児は誰もが甲子園出場を目指しますが、アメフトの選手も甲子園出場が最大の目標です。

甲子園ボウルが行われる甲子園球場。野球開催時とは全く違う貌を見せる

甲子園ボウルを盛り上げた”赤青対決”

甲子園ボウルは前述したとおり、アメフト大学日本一決定戦です。現在のシステムでは、東日本代表と西日本代表が日本一を争います。しかし現実的には、関東と関西の実力が抜きん出ているため、関東vs関西という構図になっています。

そもそも2008年までは、甲子園ボウルは関東優勝校と関西優勝校との激突、東西大学王座決定戦でした。それが現在では、関東や関西のみならず全国の大学に門戸が開かれましたが、実際には関東と関西以外の地区は実力的になかなか甲子園ボウルには出場できません。

古くから甲子園ボウルは、関東の日本大学フェニックスと、関西の関西学院大学ファイターズとのライバル関係が人気を博してきました。赤ヘル軍団の日大と、青いユニフォームの関学大との「赤青対決」です。

その後、関東は法政大学トマホークス早稲田大学ビッグベアーズ、関西では京都大学ギャングスターズ立命館大学パンサーズなどが台頭したため「赤青対決」はなかなか実現しませんでしたが、2011年に「赤青対決」が甲子園で久しぶりに実現しました。実は2007年にも「赤青対決」があったのですが、この時は甲子園球場が改装中だったため、長居スタジアムで行われたのです。

甲子園での日大vs関学大の「赤青対決」

近年では関西有利。さて今年は?

大学スポーツでは総じて関東有利ですが、アメフトは違います。ハッキリ言って、関西が圧倒的に有利となっています。

去年(2015年)までの甲子園ボウルでは、関西勢が9連覇を誇っています。それでも去年は、早大が立命大に27-28で1点差負けという、大接戦を演じました。関東勢の巻き返しに期待しましょう。

そして今年(2016年)は、関東で異変が起きています。今、この原稿を書いている段階で、関東リーグでは慶應義塾大学ユニコーンズが全勝。もしこのまま慶大が関東で優勝して、さらに東日本代表となれば、実に66年ぶりの甲子園ボウル出場となるのです。ちなみに慶大は、甲子園ボウルの初代王者です。

一方の関西では、関学大が全勝優勝しました。しかし今年度から、西日本の方式が変わったのです。関西2位までが西日本代表決定戦に出場できるようになりました。実力的に言って、西日本代表は関学大と関西2位の立命大との一騎打ちになるでしょう。

甲子園ボウル、満員の観衆で膨れ上がった一塁側スタンド

まだまだ続く、アメフトの戦い

大学生にとって、甲子園ボウル出場、そして優勝することは最大の目標です。しかし、アメフトは甲子園ボウルで終わりではありません。

甲子園ボウルで優勝すると、翌年の1月3日に東京ドームで行われる日本選手権「ライスボウル」に出場するのです。ライスボウルは、大学王者と社会人王者が対決する、まさしくアメフト日本一決定戦です。

どのスポーツでも、社会人の方が大学よりも強いのですが、アメフトはそうとも言い切れません。たしかにライスボウルでは、社会人王者が7連覇していますが、その点差は拮抗しており、昨年度では立命大が社会人のパナソニック・インパルスに19-22で敗れたとはいえ大接戦を演じました。今年の甲子園ボウル優勝チームが、ライスボウルも制して日本一にならないとも限りません。

なお、今年の甲子園ボウルは12月18日に甲子園球場で行われます。阪神本線の甲子園駅からすぐの距離です。

野球とは全く違う甲子園の貌を見てみませんか?

甲子園ボウルの試合終了後、両校のチアリーダーに見送られる

安威川敏樹

安威川敏樹スポーツを中心とするライター

投稿者の過去記事

大阪府在住。作業関連機器の設計から、スポーツを中心としたライター・コラムニストに転身。野球雑誌等に寄稿の他、電子本に野球小説を執筆。野球の独立リーグでの公式記録員の経験あり。野球以外では、ラグビー雑誌にも寄稿。モットーは「文字をオモチャにして遊ぶ」。

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